ここでは、幻想界に登場し、固有のエンディングを持つキャラクターを紹介します。
幻想界のキャラはインパクトが強く、一言で言い表せる際立った特徴を持っています。元はといえば、この幻想界のキャラ設定と二つの世界といった世界設定に関心を持ってこの作品を買ったのですが・・・・・・考えが甘すぎました。(笑)
鈴科 流水音
元気な幽霊です。
舞波 優希
・・・で、一言で済んでいました。発売前は。
しかし、シナリオは非常に深く絡んでくるキャラクターで、その性格以上にまわりの環境に影響されています。
もっとも、最初の一言の通り、性格的には元気で明るいので物事に付いてはだいたい前向きに考えるようにしているようです。幻想界で主人公と一番口論するシーンが多いのもこのキャラクターです。
ただ、元気で明るいだけかというとそうでもなく、ちょっとしたことから暗く沈んでしまったり、考え込んでしまうこともあります。猪突猛進といったタイプではなく、考えることはしっかり考えて先に進もうとします。
シナリオが進むにつれて、このキャラクタの持つ重要性はどんどん増していきます。なぜ幽霊なのか、なぜ明るい性格なのか、なぜ上手にピアノが弾けるのか。それらがシナリオを進めるにつれて明らかになってきます。
中学生の死神見習で、当初一番人気であると見られていたキャラクタです。
湖潤 リリス
死神という種族に似合わず、気弱で少し慌てものだったりしますが、目的に向かってはいつも一所懸命なキャラクタです。
容姿や、しぐさのかわいさで比べれば全キャラクタ中でも最高であると言う人は多いはずです。彼女目当てでこのゲームを買った人も多いと思います。
シナリオは、主人公に憧憬の念を抱いた彼女が、流水音との縁で主人公と知り合うところから始まります。どのシナリオでも、比較的重要な役回りをするのですが、ちょっとキャラクター的には弱い感じを私は受けました。おとなしい性格も手伝ってか、ヒロイン格のキャラとしては目立つところが少なかったように感じます。
彼女の場合、その兄の舞波聖邪が強烈なキャラクターで目を引きます。徐々にその兄の後ろから出てくるわけです。幻想界ではどちらかというと、各キャラクターというよりは舞波聖邪が全体の話の中心となっています。
また、彼女は美術部に所属し、その絵のセンスは相当なものがあるようです。鈴科流水音も美術部員であり、ちょうど先輩後輩の間柄になっています。
音楽をその身の糧とする音楽の妖精です。
氷狩 吹雪
普段は力が足りなく、小さい姿をしていますし、その性格も幼稚で騒がしいです。どのくらい小さいかというと、ちょうど人間の10分の1。(笑)
しかし、強力な力を持つ音楽に触れ、力を得ると、普通の人間の姿に変身します。更に、性格も大人っぽくなるためまるっきり別人です。(笑)
もっとも、彼女のシナリオに入らなければ変身する事はありません。この場合、最後の隠れキャラと同様に完全にギャグキャラになります。
彼女のシナリオは他のシナリオから比較的独立していながらもすばやい展開を見せ、一気に読ませるものとなっていて、彼女が流水音、優希に次ぐ幻想界3番目の位置にいるキャラクターであることがわかります。実際、あちらこちらのイラストでも結構目立つ存在です。
一番に押している人はそれほど多くは無いかもしれませんが、人気が無いわけでもない不思議なキャラクターです。
色黒の雪女。しかも、空手部主将。長い髪を金属性のチェーンでまとめているといった一見とんでもないキャラクターで、他の作品にはまずヒロイン格としては出てこないタイプだと思われます。こういったところで、妙な個性を発揮しているのもこの作品の魅力の一つと言えるでしょう。
霧城 七衣
しかし、シナリオ的には現実界と幻想界の謎を解くと言う点において最重要キャラクターです。趣味が合わないからといってシナリオを進めていない人は是非進めることをお勧めします。
このキャラクター、最初は何かと主人公を嫌っていて、何かとつっかっかってきます。途中、舞波聖邪と対決するシーンがあるなど、見かけに違わず動きの激しいキャラクターです。
ただシナリオ的にはキャラクターの過去による世界設定の説明のみに徹しすぎている感もあり、そのあたりが残念な部分でもあります。
眼鏡、そばかす、おさげ、おっとりで天然ボケと、狙えるだけ狙った(笑)とプロデューサ自ら語る特殊なキャラクターです。
エリザ ノインテータ
ですが、とても捻りが入っているこの作品の世界観の中で、これだけで済むはずはありません。このキャラクターは魔法によって“創られた”魔法生命体で、絵をその依り代とし、その絵の中に住んでいます。つまり、2次元世界と、3次元世界を交互に行き来することができるのです。また、その依り代が滅びない限り、完全な死はありません。
この世界ではこういった魔法生命体は珍しくなく、色々な形で存在しているようです。魔法生命体にとっては“創造主(マスター)”は絶対の存在で、マスターの考えのみを存在の目的としています。しかし、彼女のマスターはすでに失われて久しく、彼女の存在はゲーム開始時点では宙に浮いたものとなっています。
彼女のシナリオも、氷狩シナリオほどではありませんが二つの世界の謎解きにかかわってきます。また、シナリオが進むと途中から印象ががらりと変わります。キーポイントは彼女のマスター。彼女の場合もシナリオ的には多少薄い気がするのですが、念入りに作られた設定と、後半に入っての変貌の衝撃がそれを補い、比較的まとまったシナリオに感じます。
バンパイアハーフの先生で、先代の理事長が亡くなった為に若いながらも教師兼理事長として学園に勤めています。ある事件から主人公のことをよく気にかけていて、よく主人公を助ける存在です。そのため、主人公が頭の上がらない数少ない人でもあります。
リ・サ
この人もちょっとシナリオが弱い気がします。地下の大聖堂に潜ったりと独特な展開部分は多いのですが、もうちょっと捻りが欲しかったところです。比較的、先が読みやすいシナリオで展開し、氷狩シナリオや、七衣シナリオほどの意外な新事実の発露といったことも無いため、どうしても平坦なシナリオに感じてしまいます。この作品のキャラクターの中では比較的人気が無いということもここのあたりに問題があるような気がします。
現実界もそうなのですが、どうもこの作品は先生役の人についてはあまり重視されていないようです。とりあえず、グッドエンドとバッドエンドがあるくらいの話になっていて、他のシナリオとの関連性も薄くなっています。もしかすると最初はヒロインとして出す予定が無かったのかな?とも思ってしまいます。
幻想界の隠れキャラで幻想界のほかのキャラクターをクリアしないと出てきません。
耳やら尻尾やらがついていて、シナリオを見る前にイラストだけ見ると、何だこいつは?と思うでしょうが、シナリオの中身では序盤から正体ばればれです。(笑)
このシナリオは完全におまけ的ギャグシナリオなので、このキャラにどれほどの人気があるかは全く読めません。(笑)リリスと同じ位なのかな?とは思うのですけど。
とにかく、幻想界のキャラクターのハッピーエンドを全員分見てみましょう。そのあとに今までとは全く違う世界が展開されます。
幻想界の方はちょっとサブヒロインが弱い印象を受けます。設定が面白いだけに、惜しい気がしますが、どちらかというと現実界を主とするシナリオのため、整合性を取らざるを得なくなっているような気もします。ただ、シナリオの独自性は保たれていて、できが悪いということはありませんが、できればもうちょっとサブヒロインのシナリオを分けてほしかったところです。
2000.3.18