ここでは、現実界に登場し、固有のエンディングを持つキャラクターを紹介します。
今回、私は珍しくメインヒロインキャラ。しかも、1番人気のキャラにはまっています。これは、とても珍しいことです。元来ひねくれ者なので、そのキャラクターに人気が出てくると離れてしまう傾向が強いのですが、今回ばかりはずぶずぶずぶと深みに・・・。(笑)
天羽 碧
“あもう”ではなく、“あそう”と読みます。主人公を新聞委員会に巻き込んだ張本人です。次に述べている星原さんとならんで現実界ではメインヒロインなのですが・・・どちらもあまりヒロインっぽくありませんね。(笑)
一見クールできつい性格と周囲の人間には思われていますが、なぜか主人公には気を許し、弱音を吐いたりすることが多いようです。
また、自分の趣味には一途で、新聞部に入っていることも、自分のやりたいことを自由に表現したいという理由からでしょう。・・・で、その彼女の趣味。何故か彼女は虫が好きだったりします。(笑)しかも、虫といっても蝶やカブト虫などの比較的鑑賞に耐えれる?ようなものではなく、毛虫や蜘蛛(正確には虫じゃありませんけど)などを好んで研究し、それらを自分の記事として新聞に載せています。
彼女は正確設定的にも面白いキャラクターだとは思うのですが、この“虫好き”の部分が他の全てを覆い隠してしまってもいます。おまけに容姿も良く、性格がきつめということもあって、周囲からは孤立しがち。しかし、決して性格が悪いというわけではないので、わかる人はわかっているようです。味方以上に敵が多い人であることは確かでしょう。
このように個性的なキャラクターですが、そこそこ人気もあるようです。星原さんシナリオの必然的な展開と比べるとやや弱いところを感じてしまうのですが、シナリオ的にもよいできであると思います。
星原 百合
まず、最初に断っておきます。私はこのキャラクターの話になると理性を失います。(笑)ゲーム発売から、二週間くらいで、さくっと七瀬優を抜きました。(爆)このゲームの中で私が文句無しに一番押しているキャラ。それが彼女、星原さんです。
彼女の一番の特徴は周りに気付かせない自己犠牲にあります。二つの世界の記憶を持ち、現実界の人々には無い力を持って現実界に存在します。そして、その存在を気づかれないように周りの人との接触を嫌い、常に孤独な存在です。
そのために、周囲からはとっつきにくい、ミステリアスな人として認識され、色々と悪い噂(その噂の一部は真実なのですが)を立てられたりもします。しかし、彼女はそういった噂すら自分の素性を隠すために利用し、決して否定しようとはしません。
また彼女は、もう一つの世界からの干渉も一人で全て背負い込み、解決しようとします。群集の中にあって常に誰も知らない戦いをただ一人で行っている。それが彼女です。
もっとも、彼女も最初からこういった性格だったわけではなく、色々な事象が重なって今の彼女があります。ここで紹介する星原さんは当然、ゲーム作品中の星原さんなので、とある事件以降の彼女を指します。
さて・・・・・・彼女にはまった理由。完全にシナリオにやられました。さりげなく、淡々と真相に近づく事件において、彼女の行動に感じ入り、こと涙を流しそうになります。
このシナリオは、話としての流れを損なうことなく、彼女の魅力を引き立たせるものでした。詳しくは、さすがにやってみて下さいとしか言いようがありません。ただ、シナリオを体験する際にはハッピーエンドでだけではなく、是非バッドエンドも見てください。彼女の外面には出ない哀しさがいやと言うほど伝わってきます。
・・・なんだか、書いていてまた泣きそうになってきてしまいましたが・・・。
これらは、彼女を理解し、ずっとそばにいて不安を感じさせるようなことをさせたくないと私に思わせるに十分でした。彼女の痛みを誰も知ることがなく、彼女自身がそれを当然の状況として受け止めている。・・・痛すぎます。
それと・・・彼女の絵はかなりよいです。(爆)一押しのキャラクターが容姿的にも一押しになることはほとんど無いのですが、今回は非常に珍しいことに性格的好みと容姿的好みが一致しています。で、このありさまです。(爆)
また、シナリオ以外の彼女の基本的な性格も影響しています。基本的におとなしく、論理的な物の考え方をする。あまり表情を顔に出すことはないが、女の子らしいかわいさも持っている。
何でも、かんでも自分一人で抱え込んでしまうという点は普通に考えれば欠点かもしれません。しかし、彼女の場合はその事象が極端なため、何とかして助けてあげたいと考えてしまいます。
ちなみに、幻想界の舞波優希と人気争いを二分する存在。私が一番人気のキャラクターを押すことは珍しく、知り合いからは、今度はヒロインなんですか?とか言われたりもしました。(笑)
ゲーム本編では有りませんが、小説版でも彼女は非常に重要な役割を果たし、しかし元の日常へ帰っていきます。こちらもかなり痛いです。ところどころに彼女の心理描写が非常にこころにくいタイミングで入っています。
ゲームでの他のキャラクターのハッピーエンドの後、彼女に平穏は訪れるのでしょうか。世界が安定した後、徐々に世界にも慣れていくことと信じたくあります。
弓倉 亜希子
ロングヘア、おっとり、家事が得意、運動が苦手と、ちょっと目に付く特徴を挙げていくとこの手の作品にありがちなキャラクターかと思われてしまいそうですが、そうではありません。見た目と一般的な紹介記事からはあまり想像できない性格的特徴を彼女は持っています。
それは、しっかりものであるということです。この、おっとりとした容姿と性格設定ではなく、家事が得意なことと、両親がほとんど家にいないで、3歳離れた妹がいるということから、意外としっかりした性格じゃないのかと想像した人はどれくらいいるでしょうか。
作品中でも自分の考えは結構はっきりと言いますし、妹を怒鳴りつけるような場面もあります。(笑)親がいない家をあずかる彼女は、日常常識的な面ではかなりのしっかりものなのです。
とはいっても、おっとりしているのも確かで、多人数が早口で話している場所へ割り込むことなどはなかなか難しいようでし、気弱な性格もあちこちに現れています。この二つの性格がバランス良く現れているのが彼女の大きな魅力だと思います。
あと、このキャラクターは声優の声イメージがばっちりはまっているように思えます。特に、おどおどとした物言いをするような場面や、何かを決意したかのようにしっかりと話すシーンなど、とてもキャラクターに合っているように思えました。狙ってやったのかどうかはわかりませんが、このキャラクターとこのキャラクターの声優さんの名前は同じだったりします。(笑)
東由利 鼓
陸上部に所属し、ハイジャンプを得意としている明るく元気な女の子です。陸上の選手らしく、髪型はショートです。このキャラクターの場合、こういった作品にありがちな特徴らしい特徴がほとんど無かったりします。そして、そういった特徴が無いことが一つの特徴になっています。
と、いうことで、彼女の場合、現実にいそうなキャラクターであるということが一番の特徴かと思います。運動が得意で、成績はそれほど良くなくても元気で明るくてクラスの中でも目立っていて人気者だった人っていません(でした)か?
唯一、変わった性格といえば、オカルト関係に興味があるということですが、それほど深い趣味ではなく、せいぜい占いやまじないを試してみたりする程度で、ごく普通の人。シナリオではこの趣味が主人公の行動とクロスさせるキーとなっています。
どちらかというと思い立ったら即行動する人なので、そのせいで余計なことをしてしまうこともしばしばあるようですが、その明るい性格から笑ってすむことが多いようです。また、色々なことに首を突っ込みたがる傾向もあるようです。
さて、作品中では、なぜか天羽さんと仲が悪く、あちこちで言い争いを展開することとなります。なぜかは、作品中で。また、弓倉亜希子さんとは親友と呼べる間柄で、この二人のコンビは校内でも目立つ存在のようです。
弓倉 さやか
弓倉亜希子の妹で、現実界では唯一の中学生です。性格的にはとにかく元気でお調子者。気分屋でもあるので、いつもは姉の亜希子が押さえていますが感情が爆発すると誰の手にも負えなくなりそうです。
学校では、吹奏楽部に所属し、トロンボーンパートを担当しています。あまり演奏のほうは上手ではないようで、いつも懸命に練習しています。
彼女は、その登場パートがそれほど多くはないのですが、彼女のシナリオに入ると彼女に振り回されまくることとなります。どうも、姉ほど料理が上手ではないのですが、基本的に努力を惜しまない性格のようなので順調にやればすぐ追いつくでしょう。ただし、ちょっと飽きっぽいのが玉に傷なもよう。
そんな、彼女ですが、本人は本人なりに色々なことを考えているようです。どうこう言っても、二人とも仲の良い姉妹なのです。
草壁 湊
主人公達の物理の教師で、容姿だけであればかなりの美人の部類に入ります。しかし、どうも自分の格好には無頓着のようです。物理の教師らしくいつも白衣に身を包み、理科準備室であまり整えていない髪の毛を時々くしゃくしゃやりながら、フラスコでコーヒーを作ってビーカーで飲んでいたりします。一人の時はシャーレを灰皿代わりにしてタバコも吸っているようです。
これほど変わった先生ですが、その会話の内容は常に理路整然としていて、不正確な言動を一切取らない彼女の人柄が伺えます。自分の考えもしっかりと持っていて、その見識深さは教師としてふさわしいものであると言えるでしょう。
彼女はこういった作品にありがちな先生らしく無い、どちらかというと生徒に近いような先生ではなく、本当にどこかにいそうな変わった先生といった印象を受けます。
一応、彼女のエンディングも存在するのですが、とりたててラブラブなエンディングではなく、少し仲が良くなる程度のエンディングです。話として不自然にならない形での展開を取ろうとすると、このような形がベストであろうと個人的には思っています。
ただ、エンディングへたどり着くのが比較的難しいキャラクターであり、シナリオそのものが他のシナリオとほとんど関連していないなど、あまり重要なキャラクターではなく、シナリオ自体がとってつけたような感じになってしまっているのが少々残念なところではあります。
キャラクター的にはかなり面白いので、このキャラクターのままエンディングなしの脇役に徹していた方が、人気がでたかな?などと思ってしまいます。
実はこのキャラクタ、同い年だったりして。(爆)
鵜野杜 椎名
最初は、脇役扱いなのですが、上の6人のベストエンドを見るとシナリオへ分岐できるようになります。
外見はぼーっとしていそうで、さらに声がその印象に拍車をかけていたりします。おかげで最初に出てきたとき、キャラクタ紹介に載っていなかったにもかかわらず、妙に印象に残っていて、これは人気が出そうだなあとか思ったものです。
正確は、弓倉姉とはまた違った意味でぼんやりしています。が、実は生徒会役員だったりするので、そういった仕事は得意なのかもしれません。
彼女も、天羽碧のよき理解者であり、親友であるということから、相当変った人物なのかもしれません。しかし、そのぼんやりした性格が災いして、対人関係のトラブルには弱いようです。そして、親友はトラブルの固まりである天羽碧。(笑)ひそかに心労が溜まっているようです。
どうも、色々な面で主人公を頼りにしているらしいのですが、内気な性格が邪魔をしてあまりそういった感情を表に出せないようです。彼女のシナリオはそのあたりが鍵になります。
いかにもおまけのシナリオらしく、ちょっと消化不良気味ですが、彼女の性格は良く出ているのではないでしょうか。
現実界のキャラクターはどこかにいそうな人であるにもかかわらず、微妙に個性が強いところがポイントでしょう。
改めて言うまでもなく、星原さんは別格です。(笑)
2000.1.31